役職
大学院先進理工系科学研究科 教授, 理学部担当, AI・データイノベーション教育研究センター 副センター長 併任
略歴
1988.3
広島大学大学院理学研究科博士課程後期数学専攻 中退 (1992.4 同専攻で理学博士取得)
1988.4-1992.3
大分大学工学部知能情報システム工学科 助手
1992.4-1993.4
大分大学工学部知能情報システム工学科 講師
1993.5-1995.4
愛媛大学教養部 講師
1995.5-1996.3
愛媛大学教養部 助教授
1996.4-1999.3
愛媛大学理学部数学科 助教授
1999.4-2005.6
広島大学大学院理学研究科数学専攻 助教授
2005.7-
広島大学大学院理学研究科数学専攻 教授 (組織改編のため,2020.4から所属が大学院先進理工学研究科に変更)
主な研究内容
私の研究内容の一つは,統計量の分布の漸近展開公式の導出と,それを利用した統計解析手法の評価や改良です。統計量というのは,仮説検定で用いられる検定基準やパラメータの推定量,モデル選択規準などです。目的関数が複数個ある重回帰分析で,例えば,回帰係数の一部が 0 である,つまり,その回帰係数に対応する説明変数が目的変数に影響を与えないという仮説を検定するときの検定基準として尤度比基準がありますが,標本数が大きいとき,尤度比規準の分布はカイ2乗分布によって近似することができ,それを利用してp-値を計算することができます。しかし,目的変数の個数が増えれば増える程,近似精度は悪くなるので,漸近展開という近似方法を利用してカイ2乗分布による近似公式を精密化したり,目的変数の個数も大きいという設定で,正規分布をベースにした近似公式を得ることができます。同じ検定規準の分布を近似するのに,カイ2乗分布をベースにした近似公式と正規分布をベースにした近似公式があるので,どちらを使うべきかという問題があります。それを解決するために,いろいろな検定基準分布の漸近展開を用いた近似公式の精度の上限を与えるといった研究を行っています。
主な研究業績
査読付き論文
- Wakaki, H., Comparison of powers of a class of tests for covariance matrices. Hiroshima Math. J., 18 (3), 599-611, 1988. DOI:10.32917/hmj/1206129619
- Wakaki, H, Comparison of linear and quadratic discriminant functions. Biometrika, 77 (1), 227-229, 1990. DOI:10.1093/biomet/77.1.227
- Wakaki, H., Discriminant analysis under elliptical populations. Hiroshima Math. J., 24 (2), 257-298, 1994. DOI:10.32917/hmj/1206128025
- Akita, T., Jin, J. & Wakaki, H., High-dimensional Edgeworth expansion of a test statistic on independence and its error bound. Journal of Multivariate Analysis. 101 (8), 1806-1813, 2010. DOI:10.1016/j.jmva.2010.03.014
- Wakaki, H. & Fujikoshi, Y., Computable error bounds for high-dimensional approximations of an LR statistic for additional information in canonical correlation analysis. Theory of Probability and Its Applications, 62 (1), 194-211, 2017. DOI:10.1137/S0040585X97T98854X
著書
- 藤越康祝・若木宏文・栁原宏和. 確率・統計の数学的基礎. 広島大学出版会, 広島, 2011.